本の泉 清冽なる本の魅力が湧き出でる場所…

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第135回 2011年12月22日


●執筆者紹介●


加藤泉

有隣堂ヨドバシAKIBA店

仕事をしていない時はほぼ本を読んでいる、尼僧のような生活を送っている。


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~有隣堂スタッフが選んだ2011ベストワン!~

 (書名五十音順)
 

海路・表紙画像
海路


1,260円
(5%税込)
   藤岡陽子 『海路 (光文社)

演歌ではありません、念のため。
主人公である女性看護師が老医師に寄せる想いを、丁寧に描いた物語です。
「恋」とは違うこの気持ちを、一体なんと呼べばいいのでしょう。
そんな経験いまだ無い私ではありますが、この切なさは深い。そこらの恋愛小説を一蹴です。
川上弘美『センセイの鞄』にぐっときた方は是非どうぞ。
「想いの行方」は…内緒です。


(販売促進室 倉田裕子)

すべて真夜中の恋人たち・表紙画像
すべて真夜中の恋人たち


1,680円
(5%税込)
   川上未映子 『すべて真夜中の恋人たち(講談社)

最近はエッセイストになりはててしまったのかと思ってしまうほど、エッセイ集ばかりが続いていた川上未映子の、待望の、待望の! 長編小説。
『へヴン』を読んでも思ったが、川上未映子の作品からは「端から見たら、上・中・下で言ったら下だよね。ダメだよね。でもね、それでも一生懸命生きているんだよ」っていう、生きる活力で満ち溢れていて、それが伝わってくる。
そして何よりもピュアである。こんなにもピュアな話に感動できる自分はまだまだ大丈夫だな、と思える。


(横浜駅西口店 佐藤正博)

世界の夢の本屋さん
世界の夢の
本屋さん


3,990円
(5%税込)
   世界の夢の本屋さん(エクスナレッジ)

リッツオーリ・ブックストアが載っている! そう、あの映画の中でデニーロとストリープが、恋に落ちた場所。書店には、いつも人生や夢やキラキラしたものがいっぱいつまっています。
人は、きっと何かを見つけたくて、もしかしたら真実に出会いたくて、ブックストアに情熱を傾けるのかもしれません。ほうっとため息がでるほど、素敵な世界の本屋さんばかりを集めたビジュアル書。「私の夢の形は、こうなのかもしれない。」とワクワクしながら、読みました。


(厚木店 佐伯敦子)

月の上の観覧車・表紙画像
月の上の観覧車


1,575円
(5%税込)
   荻原浩 『月の上の観覧車(新潮社)

新幹線に乗る主人公は、短いトンネル、長いトンネル、入ったり抜けたりする 闇と光の間に記憶が遠くへと飛んで、自分の人生を振りかえる。
冒頭の『トンネル鏡』から続く「なにかをなくした過去」を持ちながら生きる人々の連作短篇集。
誰もが過去に戻りようがない。「忘れないこと」で繋がり、もしも・・だったら? と自問して日々を過ごしていく中で、ほんの少しだけ見えた光とは?
装丁の観覧車のように暗闇で繊細な光を放つ、じんわり味わい深い物語。


(横浜駅西口店 天羽雅代)

翼・表紙画像


1,260円
(5%税込)
   白石一文 『(光文社)

心の底から愛した運命の人と結婚できなかった人生に意味はあるのか? 凄まじい信念で人間存在の意義を問い続ける著者の出した回答はあまりに衝撃的! しかし何よりも素晴らしいのはそういったテーマが小説の中で変に浮き上がることなく見事に物語の面白さとして昇華されている事。スリリングで予測不能な展開にメロメロに酔い、これ以上はないまさに「物語の終わり」を高らかに宣言する幕切れに深く感動。


(アトレ恵比寿店 梅原潤一)

ビブリア古書堂の事件手帖・表紙画像
ビブリア古書堂の
事件手帖


620円
(5%税込)


ビブリア古書堂の事件手帖・表紙画像
ビブリア古書堂の
事件手帖 2


557円
(5%税込)

   三上延
   『ビブリア古書堂の事件手帖
   ビブリア古書堂の事件手帖2
(アスキー・メディアワークス)

私たち書店員は本が好きです。
私は本が好きな人に出会うとキュンとします。
本に囲まれた空間に出会うとキュンとします。
古書店主・篠川栞子のデビューは間違いなく2011年出版界最大の事件でしょう。
古書の市場価値もさることながら、本自体に込められている想いと物語、
それらを取り巻く人間群像。
そのひとつひとつが落ち着いた輝きを放ち、私たちの胸を刺し、心をふるわせるのです。
今、この現場を目撃しない手はない。そう思います。


(ヨドバシAKIBA店 広沢友樹)

人質の朗読会・表紙画像
人質の朗読会


1,470円
(5%税込)
   小川洋子 『人質の朗読会(中央公論新社)

反則かもしれませんが、上半期ベストワンと同じ本を選びました(第126回)。
この激動の年の初めにこの本が刊行されていたことは、神の采配に思えてなりません。
一人でも多くの人に届けたい。今年一番強く思った一冊です。


(ヨドバシAKIBA店 加藤泉)

百歳・表紙画像
百歳


1,000円
(5%税込)
   柴田トヨ 『百歳(飛鳥新社)

『くじけないで』もいいタイトルだと思ったのですが今回はすばらしいです。
『百歳』!
こんなタイトルで本を出版できる作家は何人いるでしょうか?
いろんなことを乗り越えて、この笑顔。
いくつになってもこどもはこどもなんだなぁと しみじみしました。
心が弱っているときに読むと気持ち良く泣けます。
1年間のストレスを思いっきり流しましょう。


(アトレ目黒店 酒井ふゆき)

舟を編む・表紙画像
舟を編む


1,575円
(5%税込)
   三浦しをん 『舟を編む(光文社)

読み終えてしまうのが勿体無いと思うほど、素敵な素敵な本でした。
辞書を1から作る人たちの話など今までに読んだことありますか? きっとないと思います。
一見個性さまざまで全然まとまりのない登場人物たちが、1つにまとまっていき、汗と涙の結晶で作り上げる過程は決して涙なしでは読めません。装丁も素晴らしいです。帯のイラストを楽しみに、何故『舟を編む』というタイトルなのか是非考えながら読んでみてください。読後きっとあなたの家の辞書たちが急に愛おしくなることでしょう。
本当におすすめしたい今年のマイベスト本です!!


(新百合ヶ丘エルミロード店 菅野貴子)

わたしの彼氏・表紙画像
わたしの彼氏


1,680円
(5%税込)
   青山七恵 『わたしの彼氏(講談社)

バイト先の歯科衛生士や弁当屋の人妻に誘われちゃうのに、そちらは選ばず公民館勤めのDV女や貢がせる女子高生とかにハマってしまうバカな鮎太朗。彼は親戚やクラスメイトなど身近にいそうで親しみやすい、けどハラハラさせられっ放しになる。「放っておけないハンサムな弟」といった感じで、読めば誰もが彼を愛することになると思う。


(アトレ恵比寿店 岩井静花)



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