本の泉 清冽なる本の魅力が湧き出でる場所…

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第66回 2009年1月22日

 
●執筆者紹介●
 
岩堀華江
有隣堂 読書推進委員。
本と音楽がないと生きていけないと思っている。

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「本の泉」は月に2回更新していますが今回より、2回のうち1回を読書推進委員会のホープたちが持ち回りで担当することになりました。
今回は厚木店文芸書担当の岩堀委員が担当いたします。
皆様、これからも「本の泉」をよろしくお願いいたします。  (加藤泉)
 
〜マイ・フェイバリットな恩田陸〜
 
今回、「本の泉」を担当させていただく、有隣堂読書推進委員の岩堀華江です。
いたらない点もあるかと思いますが最後までお付き合いください。
ご紹介する本は、河出書房新社から新刊が発売された恩田陸さんの作品から厳選した3冊です。 なお、新刊『ブラザー・サン シスター・ムーン』は繋がっているけれど繋がっていない男女3人を描いた青春小説で、学生生活を終えて現在を生きるひと(特に女性の方)に読んで欲しいと思います。

 

 まず始めに、『三月は深き紅の淵を』を。
数多くある作品の中でもこれでもかという位、恩田陸の魅力が詰まっている作品で、これから恩田陸を読んでみようという方には、是非最初に読んで欲しい1冊。

本書と同じ題名の『三月は深き紅の淵を』という作者不詳の幻の稀覯本をめぐる4つの物語が収められています。 本の持ち主はたった1人に1夜だけ貸すことが許されているという、なんとも謎めいていて本好きには堪らないミステリです。
作中で語られている4つの物語は、それぞれが独立した話でありながら「幻の本」をキーワードに結びつき、本書を幻想的で不思議な魅力を携えたものにしており私たちを虜にしてしまいます。
その世界観は『黒と茶の幻想』や『麦の海に沈む果実』といった他の作品へと繋がっていき、これらを読んだ後再び本書へ戻ってくると、一層深みをましていきます。

あぁ、素晴らしき「恩田陸ワールド」。

ただとても残念なのが、幻の稀覯本『三月は深き紅の淵を』を決して私たちは読むことができないということ。 悔しい…。

 
 
三月は深き紅の淵を(新潮文庫)・表紙画像

三月は深き紅の淵を


講談社
文庫:700円
(5%税込)
B6:1,890円
(5%税込)

 次に、『夜のピクニック』を。
第2回本屋大賞を受賞し、映画化もされた青春小説の名作です。
既に多くの方々が読まれているとは思いますが、私が大好きな1冊であり何度でも読んでいただきたいので、あえて紹介させていただきます。

舞台は高校生活最後を飾るビッグイベント「歩行祭」。 全校生徒が夜を徹して80キロをひたすら歩き続けるという、まさに「夜のピクニック」。
主人公の貴子は、三年間誰にも言えなかった秘密を精算して前に進むために、ある誓いを胸に「歩行祭」に参加しています。

歩きながら交わす友人との他愛のない会話、噂話や楽しい思い出話、そして将来の夢など。 等身大で語られているそのすべてが眩しく、いとおしい。
ひねくれ者の私でも素直に、「友情」って、「青春」っていいなと心から思った素敵な物語です。

私も、無理して背伸びなどしていないで、もっとちゃんと高校生をやっておけばよかったなぁ。

 
 
夜のピクニック(新潮文庫)・表紙画像
夜のピクニック


新潮社
文庫:660円
(5%税込)
B6:1,680円
(5%税込)

 そして最後は、恩田陸作品の中では異色の『MAZE』を。
アジアの西の果てに、人間が「存在しない場所」、人間が「有り得ない場所」があると噂されている。 一度中に入った人間は二度と戻ってこないらしい…。
その「MAZE」の謎に挑む4人の男性の話であり、古代文明に隠された謎を絡めたミステリに仕立ててあります。

謎解きはモチロンのこと、何といっても主人公のキャラクターが面白い。
強く賢く美しい「神原恵弥(かんばらめぐみ)」、女言葉を使う格好いい男性なのです。
シリーズ2作目の『クレオパトラの夢』では、魅力的な彼の内面に深く触れることが出来るので併せて読んでいただきたいです。

私もそうですが、某TV番組のミステリーハンターに密かに憧れていたり、「マヤ文明」「エジプト文明」といった古代文明系の特集番組をチェックしたりしている方には特にお薦めします。

 
 
MAZE・表紙画像
MAZE


双葉社(文庫)
550円
(5%税込)
 

文・読書推進委員 岩堀華江

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