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第114回 2011年1月20日 |
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~2011年も時代小説にはまる~ | |||||||||||||||
ここ数年の時代小説ブームは今年も続きそうです。数ある良作の中から「次回作が待ち遠しい!」作品を紹介します。 |
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![]() 物語は、行き倒れ寸前の藩士、毛受東馬とその娘志乃が、ある館の前で助けを求めるシーンから始まります。無事助けられた父娘は、館の人々と交流を深めます。やがて東馬は、商人から荷車の護衛を任され江戸に向かうことになります。館に戻った東馬ですが、事態はそこから思わぬ方向に進みます。 東馬や娘の志乃と館の人々との、心温まる触れ合いがとにかく素晴らしいです。また、時代小説には欠かせないチャンバラやロマンスも盛り込まれ、デビュー作とは思えない、読み応え十分な作品です。その才能に早くも次回作を期待してしまいます。 |
![]() 春の館 ![]() 原田孔平:著 学研パブリッシング 680円(5%税込) |
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![]() ストーリーはもちろん、主人公の濱次をはじめ、苦言を呈しながらも濱次に目をかけている座元の森田勘弥、芝居茶屋の女将お好、裏方の清助、濱次の師匠の仙扇など、魅力的な人物も多数登場し物語を盛り上げます。濱次たちに早く会いたいので、是非ともシリーズ化を希望します。 |
![]() 花合せ ![]() 田牧大和:著 講談社 520円(5%税込) |
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![]() 小太郎たちと別れた後、長く不遇の時を送っていた勘助ですが、再び小太郎と出会い、己の進むべき道を思い出し、甲斐の国の大名、武田晴信(後の武田信玄)に仕えることになります。「軍配者」として着実に実績を上げる勘助でしたが、その前に難敵が立ち塞がります。武田軍の運命は、そして勘助がとった行動とは!? 合戦シーンはもちろん、戦国の世にあるからこそ際立つ、人間の「命」についても前作以上に語られており、物語に深みを持たせています。最後には、次回作への布石であろう描写もあり期待が膨らみます。
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![]() 信玄の軍配者 ![]() 富樫倫太郎:著 中央公論新社 1,575円(5%税込) |
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文・ 磯野真一郎
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