【本の泉】清冽なる本の魅力が湧き出でる場所…

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第133回　2011年11月7日

●執筆者紹介●

加藤泉

有隣堂ヨドバシAKIBA店

仕事をしていない時はほぼ本を読んでいる、尼僧のような生活を送っている。

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～サイン会突撃レポート
三上延『ビブリア古書堂の事件手帖 2』の巻～

今回は、10/29（土）にヨドバシAKIBA店でサイン会を行われた三上延先生に、突撃インタビューいたしました！


加藤：		サイン会、お疲れ様でした！ 110名のお客様が集い、大盛況のうちに終わりました。お客様お一人お一人のために丁寧に色紙をお書きになっていらっしゃいました。だいぶお疲れになったのではないですか？
三上：		あ、ちょっと疲れました（笑）。でも、こういう機会がないと読者の方に直接触れることはめったにありませんので、大変ありがたいことだと思っています。
加藤：		三上さんはこれまで電撃文庫からアクションホラー系のライトノベルを多く出されていらっしゃいます。うら若き古書店主・栞子さんが探偵のように活躍する『ビブリア古書堂の事件手帖』は今までの作品とは作風が違っていると感じましたが、この作品を書かれたきっかけは？
三上：		以前、古書店でアルバイトをしていたことがあり、作家としてデビューしてから古書店を舞台にした話を書きたいとずっと思っていました。今回はメディアワークス文庫から小説を出すというお話をいただいて、企画を出してみたところ通ったんです。
加藤：		『ビブリア古書堂』シリーズには魅力的な古書がたくさん登場しますよね。たとえば、1巻では夏目漱石『漱石全集・新書版』（岩波書店）、小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』（新潮文庫）、ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』（青木文庫）、太宰治『晩年』（砂子屋書房）など。選書のポイントは？
三上：		1巻に関しては、バランスに気を配りました。冒頭には有名な漱石の「それから」を持ってきて、クライマックスには太宰の稀覯本。間に挟むのはあまり知られていない本でも大丈夫か試してみたい気持ちがありました。
加藤：		なるほど。読者の方には2巻を是非お読みいただいて、どんな本が取り上げられているかご自分の目で確かめていただきたいですね。



加藤：		三上さんは大変な読書家だとお見受けしましたが、影響を受けた作家はいらっしゃいますか？
三上：		色々な作家から影響を受けていますが、短編では内田百閒や久生十蘭、ウィリアム・アイリッシュのような作品を書いてみたいと思っていました。
加藤：		電撃文庫でデビューされたので、てっきりライトノベルに影響を受けているものとばかり思っていました。
三上：		それがライトノベルはあまり読んだことがなくて。基本的に乱読なのですが、ミステリよりも純文学を読むほうが多かったくらいです。
加藤：		今、大人気の『ビブリア古書堂』シリーズ、今日のサイン会には中学1年生の女の子も来ていらっしゃいました。もっともっと読者を広げていける作品だと思いますが、どんな方に読んでほしいと思っていらっしゃいますか？
三上：		古書に興味があるけれど、なかなかあの世界に入っていく勇気がない人は多いと思うんです。そういう方がこの本を読んで古書を好きになるきっかけになったらいいなと思います。古書に限らず、本の世界は素晴らしいということを一人でも多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。
加藤：		良いお話を聞かせていただきありがとうございました！

『ビブリア古書堂の
事件手帖

栞子さんと
奇妙な客人たち』

三上延：著
メディアワークス文庫
620円(5%税込)

『ビブリア古書堂の
事件手帖 2

栞子さんと謎めく日常』

三上延：著
メディアワークス文庫
557円(5%税込)

インタビュー／文・加藤泉

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