『私と家族と「川の図書館」』出版記念イベント

『私と家族と「川の図書館」』出版記念イベント


●書名:『私と家族と「川の図書館」』
●著者:熊谷沙羅
●出版社:有隣堂
●予価:税込1,540円(本体1,400円+税)
●体裁:46並製・本文208頁
●ISBN:ISBN 978-4-89660-256-2
●発売日:2025年8月5日(火)
●取り扱い:有隣堂各店(一部店舗除く)、全国の書店

【内容】
幼い頃から大の本好きだった著者は、2020年、図書館も閉鎖されたコロナ禍のなか、当時13歳ながら自分の力で「人が本と触れ合える場所」を創ろうと思い立つ。自宅や近隣から不要になった本を集め、「密」にならない多摩川河川敷の大きなケヤキの木の下で、毎週日曜日の午前に1歳下の弟と「川の図書館」を開館。やがて地域住民が集まり、「本を通じた人々のサードプレイス」として注目されると、協力者やメディア取材・講演依頼も増えた。「Book Swap Japan」と名付けられた活動は、SNSを通じて拡散、共感者が模倣するかたちで全国に広がりつつある。

それから5年、18歳になった著者は海外留学も視野に、次の人生を歩み出そうとしている。しかし、メディア取材は多くても、その活動の全体像が総括的に記録されたことはない。

本書は、著者の13歳からの取り組みをたどりつつ、幼少期の教育から家族とのつながり、活動が周囲に広がることで学んだことにも触れ、自身の活動を振り返る一冊。「本がなぜ人をつなぎ、人に求められるのか」の原点が垣間見える。また父・母・弟と、家族の絆と団結が新しい知恵を生み、次の行動を生んでいくストーリーは読む人を元気づけ、様々な知恵や気づきを与えてくれる。

2025年9月7日(日)
『私と家族と「川の図書館」』出版記念トークショー
15:00~16:30
参加費:¥2,000tax in(本+1ドリンク付き)
お申込みはこちら↓
https://story-yokohama.com/items/68a571974adcc23c2f31813c

「川の図書館」ができるまで
──〔姉弟対談〕コロナ禍から始まった中1と小6の挑戦
(登壇者)熊谷沙羅VS熊谷大輔

オープニング:イベント開会あいさつ

①姉弟対談(30〜40分)
当時の思い出/印象に残るエピソード/続ける中で変わったこと

②写真スライド紹介(20分)
家庭内での2人の様子/川の図書館の現場/利用者との交流風景

③Q&A(15分)

④サイン会(15分)

※当日の進行次第で、内容が変更になる場合があります。

【著者紹介】
熊谷沙羅(くまがい・さら)
2006年生まれ。東京都調布市在住の社会活動家。両親はベネズエラ出身。2020年、13歳のときに新型コロナウイルスの影響で図書館が閉鎖されたことをきっかけに、多摩川河川敷で「Book Swap Chofu 川の図書館」を開館。自由に本を持ち帰り交換できるこの私設図書館は、地域住民の交流の場として注目を集め、メディア取材や講演依頼も多数。自ら「Book Swap Japan」と名付けた活動は現在、青森から福岡まで全国に広がっている。家族が協力して運営に携わり、弟の大輔さんと精力的に活動中。

【「本」があるところに人が集まる──「川の図書館」という新しいコミュニティ】
著者である熊谷沙羅さんの活動は、「Book Swap JAPAN」として、北は青森から南は福岡まで10ヶ所ほどで同様の活動が始まり、全国に広がっています。

「Book Swap」とは「本を交換する」という意味。参加に条件はありません。ただ自分が読み終えた本を持っていき、新しい本と出合えばそれを持って帰ってかまいません。「川の図書館」とはいうものの返却義務はなく、必要がなくなったら返してくれればかまわないというシステムです。

本を持ち寄る人たちは、いわば「本好き」の人たち。並べられた本を見ていると、「あ、それ、私が持って来たんです」とアピールが始まり、「だったらこれ私ですけど、本当に面白かった。ぜひおすすめです!」と自然に会話が成り立ってそこに「人と人の交流」が自然発生するのです。

本屋さんも図書館も、静かに本を選ぶ場所で、話していると叱られそう。ところが青空の下、「川の図書館」では集まった人々が自然体で話し、そこに「コミュニティ」が生まれたのです。「人々のサードプレイスを作った」としてメディアに取り上げられる沙羅さんですが、「弟と2人で始めたときは想像もしなかった」と語ります。

本はただ情報を得るツールではなく、人と人をつなぎ、いつの間にか集まる人たちの「心の寄る辺」を作るのです。「本が売れない時代」といわれる昨今ですが、それは本の必要のされ方、活用の仕方が変わりつつあるからでは? 「川の図書館」の地域に根差した活動は、そんな大きな問いも現代社会に投げかけています。

 

2025-08-20 | Posted in ヨコハマ, 本と雑貨, イベント

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