有隣堂の歴史

創業時代の有隣堂

1909年~ 明治42年~
創業当時の第四有隣堂
1910年頃 明治43年頃

「横浜開港五十年祭」が全市を挙げて盛大に催された1909年(明治42年)。
この年の12月13日、横浜の伊勢佐木町1丁目に「第四有隣堂」が誕生しました。
創業者は松信大助。間口2間、奥行き3間の小さな書店でした。

1920年に「株式会社有隣堂」を設立し、店舗を拡張しましたが、関東大震災によって倒壊・焼失しました。

1909年12月13日

松信大助が個人経営で横浜市中区伊勢佐木町1丁目7(現在の伊勢佐木町本店所在地の一角)に「第四有隣堂」を創業。
間口2間(約3.6m)、奥行き3間(約5.5m)、木造2階建ての店舗で、書籍・雑誌の販売を開始。

1913年10月

地図「大正調査番地入 横浜市全図」を出版、その後1932年の訂正21版まで刊行。
1916年には2種類の絵葉書を出版するなど、以降不定期で各種出版を続ける。
有隣堂が発売した絵葉書と地図 1916年
第四有隣堂発行「横浜市全図」1916年

1920年7月6日

「第一有隣堂」 「合名会社有隣堂」を吸収合併し「株式会社有隣堂」を設立。
この年、間口5間(約9.1m)・奥行15間(27.3m)、3階建ての店舗を新築。書籍・雑誌のほか、文房具・楽器および運動具を販売する。
第四有隣堂の店舗 1916~1917年頃

1921年9月頃

改築された店舗の2階に有隣食堂が誕生。
食堂を開業した時期は不明だが、1923年4月29日の横浜貿易新報に有隣食堂の広告が掲載されている。
有隣食堂の内部 大正末~昭和初期

1923年9月1日

関東大震災で店舗を焼失。古本を買い集め、焼跡にて営業再開。
有隣食堂は翌年1924年7月9日に営業を再開。

1927年1月20日

隣接地を取得。その後も店舗拡張が続く。
この頃、2階建ての店舗(1階は書籍・文具の売場、2階は食堂と喫茶店)を再建か。
昭和初期の書籍売場
昭和初期の文具売場

1935年頃

時期ははっきりしないが、有隣食堂を廃業し、古書部を設ける。
有隣食堂のチラシ 1935年頃

戦後復興期

1945年~ 昭和20年~
竣工当時の1階・中2階売場 1956年

横浜大空襲によって、震災後に復興した店舗は全焼。
終戦にともない、店舗敷地が占領軍によって接収されました。

約10年にわたる接収ののち、伊勢佐木町通りに有隣堂ビル(現在の伊勢佐木町本店)を竣工。
地下1階、地上4階、大理石を貼り、エレベーターを備えた国内初の本格的専門店ビルでした。
当時の4階にはギャラリーを設けてさまざまな催事を開催し、文化や娯楽を渇望する戦後の横浜市民・神奈川県民の要望に応えました。

1945年5月29日

横浜大空襲により店舗を焼失。

1945年8月15日

敗戦。 同月30日、伊勢佐木町の店舗敷地が米軍により接収される。
9月上旬、焼け残った中区本牧の倉庫にて、疎開した商品で営業を再開。

1947年5月25日

中区野毛町に木造2階建の営業所を開設し、仮営業を開始。
同営業所内に、外商部門の基礎となる企業・官公庁への商品配達担当を配属。
野毛営業所時代の店舗 1950~1951年頃
野毛営業所の教材売場

1953年

第一期事業年度とする。

1953年10月14日

創業者の松信大助が急逝。夫人の松信隆子が第2代社長に就任。

1955年4月13日

1952年9月の伊勢佐木町に続き、隣接する末広町の店舗敷地の接収が全面解除。店舗の再建が本格化する。

1956年2月1日

伊勢佐木町通り(現イセザキモール)に地下1階・地上4階、現在の伊勢佐木町本店となる「有隣堂ビル」が竣工し、創業地で店舗営業を再開。野毛営業所を閉鎖。
この年、外商部を開設し本格的な外商活動を開始。
完成間近い有隣堂ビル、伊勢佐木町側から
竣工した有隣堂ビル 1956年

1956年8月6日

松信總次郎が第3代社長に就任。

1957年4月

有隣堂ビル地階でレストランの営業を開始。1994年まで営業を続ける。
地階に開設された喫茶部
食堂メニュー

1961年3月

外商部に楽器外商係を新設。

1961年11月

松信泰輔が第4代社長に就任。

多店舗化と外商事業の拡大

1964年~ 昭和39年~
横浜駅西口店 1964年

第1回東京オリンピックが開催された1964年、横浜駅西口にダイヤモンド地下街がオープンしました。
オープン時に同地下街へ「西口店」を出店、続いて藤沢・厚木にも出店し、神奈川県内の販売網を拡張していく拠点としました。

また、中区福富町に外商センターを開設し、外商業務を拡大。OA機器や楽器販売の拠点としました。

1964年12月1日

横浜駅西口ダイヤモンド地下街に「西口店」(現在の横浜駅西口各店)を開店。多店舗化の第一歩となる。
西口店開店の広告
開店当初の西口店店内

1965年11月20日

藤沢駅南口に「藤沢店」を開店。横浜市外への初進出。
藤沢店が入居する名店ビル3階に楽器売場を併設。
藤沢店開店のポスター

1967年12月10日

月刊紙「有鄰」を創刊。2010年1月より隔月刊となる。

1969年10月20日

中区福富町に外商センターを開設。外商業務を組織的に拡大する。
有隣堂外商センター
外商用の営業車 1968年頃

1971年11月14日

本厚木駅前に「厚木店」を開店。神奈川県央エリアへの初進出。
厚木店の開店披露

1972年11月1日

保土ヶ谷区和田町に「和田町音楽教室」を開設。音楽教室事業を開始。

1972年11月21日

中区常盤町に「ユーリンファボリ」を開店。
書籍・文具のほかスポーツ用品や楽器などを取り扱い、「くれーぷ屋」などを併設。1986年にイセザキ店へ統合。
ユーリンファボリの店内
ユーリンファボリの広告物

1975年6月

出版課を新設。

1975年4月11日

川崎駅前に「川崎さいか屋店」を開店。川崎市内への初進出。

1975年10月3日

町田駅前に「町田さいか屋店」を開店。東京都内への初進出。
川崎さいか屋店
町田さいか屋店開店のポスター

1976年7月10日

有隣新書シリーズの刊行を開始。

1980年11月7日

横浜駅東口に「ルミネ横浜店」を開店。
ルミネ店の店内

1983年4月7日

第1回「有隣堂ワープロ・フェア」を開催。ワープロ、PCなどOA機器の外商、店舗での本格的販売に着手。
藤沢店3F売場

1986年4月15日

『有隣堂カルチャーカタログ』によるカタログ販売を開始。1992年まで継続。

1987年11月3日

書籍宅配の「テレ本便」を開始。
「テレ本便」のマークを付けた配送用トラック

営業拠点の新設と東京圏への進出

1989年~ 平成元年~
営業本部ビル

1989年12月に創業80年を迎え、記念事業の一つとして新たな営業拠点の建設を計画し、1991年に営業本部ビルを完成させました。

店舗・外商部門とも東京圏へ本格的に進出し、インターネット販売、新規事業の開拓など、創業以来の文化・教育に関する商品を核にしながらも、総合小売業として多様な事業展開を始めます。

1989年10月21日

「生涯学習センター」による各種講座を開始。2002年まで継続。

1991年5月7日

横浜市戸塚区に東戸塚 営業本部ビル(地上6階・地下1階)を竣工。
竣工した営業本部ビル

1993年3月

オフィス通販事業「アスクル」を開始。

1993年4月22日

「アトレ大井町店」を開店。東京23区内ヘの初進出となる。
アトレ大井町店

1995年11月28日

篠﨑孝子が第5代社長に就任。

1996年9月1日

海水熱帯魚のレンタルシステム事業「マリーンジェム」を開始。その後2015年に事業譲渡。

1997年10月1日

「アトレ恵比寿店」を開店。東京都心部への本格的な店舗展開を図る。
アトレ恵比寿店 書籍売場

1999年5月12日

「アトレ新浦安店」を開店。千葉県内への初進出となる。

1999年11月26日

松信裕が第6代社長に就任。

2002年10月1日

横浜駅西口に「横浜ミュージックサロン」を開設し、大人の音楽教室事業を開始。

2005年7月1日

東京都内での外商活動拠点として、オフィス営業部 東京第一支店(現 ビジネスソリューション営業部 東京第一オフィス)を品川区に開設。

2005年10月17日

有隣堂ソリューションズ株式会社を設立。

2006年4月1日

「指定管理者業務」の受託を開始。横浜市の4地区センターにて「指定管理者」として運営業務を開始。

2006年7月1日

PFI方式による「東京都稲城市立中央図書館」の受託運営業務を開始。

2006年8月22日

プライバシーマークを認証取得。

2007年6月1日

有隣堂オフィスマーケティング株式会社を設立。

2008年5月21日

戸塚駅東口に「戸塚カルチャーセンター」を開校。

2008年7月1日

オフィス営業部 神奈川S&Sセンター(現 ビジネスソリューション営業部 神奈川第二オフィス)を開設

2009年7月1日

オフィス営業部 神奈川支店を港北区に開設。

2009年12月13日

創業100周年を迎える。

2010年4月24日

藤沢店5階に、リユースブックショップ「ReBooks」藤沢店を開設。
古書の買取、販売事業を開始。

2011年11月11日

辻堂駅前に「テラスモール湘南店」を開店。同店内に、お子さまが実際に試して遊べるスペースを備えた児童書・知育玩具の売場「Do!kids」を開設。
開店当初のテラスモール湘南店 Do!kids

2012年8月1日

オフィス営業部 相模原営業所を開設。

2012年8月1日

有隣堂ソリューションズ株式会社を株式会社ワイソリューションに商号変更。

2013年8月5日

オフィス営業部 神奈川支店(現 神奈川第一オフィス)を川崎市に移転し業務を開始。

2015年4月1日

官需営業部 大和営業所を開設。

複合業態店舗の開発

2012年~ 平成27年~
開店当初のHIBIYA CENTRAL MARKET

約20年ぶりとなる書店へのカフェ併設を皮切りに、1つの店舗内で複数の業種が営業する、複合型店舗の開発・運営を始めました。

有隣堂は2024年現在、神奈川・東京・千葉・兵庫の4都県に42店の店舗網をもっています。今後も時代に対応した店づくりを進めると同時に、変化が著しいオフィス・学校・職場もサポートする会社として、皆様のお役に立つことができるよう成長していきたいと思っています。

2015年4月24日

新宿西口に、書籍・雑貨・カフェが1つの店舗内に共存する複合型店舗「STORY STORY」を開店。約20年ぶりに店舗へ飲食業態を併設。

2016年1月9日

楽器・楽譜販売の新たな拠点として「戸塚ミュージックショップ」を開店。

2016年3月1日

相模原営業所を神奈川S&Sセンターに統合し業務を開始。

2016年3月12日

ヨドバシAKIBA店の店内に、書店の併設カフェ「STORY CAFE」の1号店を開店。以降、複数の店舗にてカフェの併設を進める。
STORY CAFE 有隣堂ヨドバシAKIBA店

2018年1月31日

営業本部ビル敷地内に賃貸を目的とした老人介護施設を竣工。

2018年3月29日

東京ミッドタウン日比谷に「HIBIYA CENTRAL MARKET」を開店。1つの店舗区画に居酒屋・アパレル・眼鏡店・コーヒースタンドなど複数の業態が共存する複合型店舗。
HIBIYA CENTRAL MARKET 夏祭り 2024年

2019年9月27日

台湾発「誠品生活」のライセンスを受け、日本1号店「誠品生活日本橋」の運営を開始。

2020年6月1日

カフェダイニング「STORY TABLE」を併設した店舗「ららぽーと豊洲店」を開店。
STORY TABLE 有隣堂ららぽーと豊洲店

2020年9月1日

松信健太郎が第7代社長に就任。

2020年10月16日

桜木町駅 ヒューリックみなとみらい コレットマーレに、書店・雑貨・カフェの複合型店舗「STORY STORY YOKOHAMA」を開店。
STORY STORY YOKOHAMA

2023年10月14日

兵庫県神戸市 神戸阪急に、関西エリア1号店となる「神戸阪急店」を開店。
神戸阪急店